No Real :in the headphone

Dreamer in Dream

「夢を見ていたんだ」

 僕は君に話しかける。

「何もない立方体の部屋で、君と呼ばれる誰かに話をする夢」

blue

 見上げると真っ青な空で遠近感をなくし、視界がぐらぐらと揺れる。視線を元に戻して周りを見ると、誰もいない。

Black or White

「この音が聞こえるか」と彼は言った。

 つまびくギターの音が私に聞こえていた。でも私は

「どの音?」って聞き返した。

 彼は笑った。

 私は目を開ける。目を開けると真っ白だった。さっきまで真っ黒で、光を感じなかったのに、今度は真っ白だった。真っ白以外なにもなかった。そのなかで、ギターの音がどこかから聞こえていた。


 今日私は、そんな夢を見た。

 そして私は無音の、灰色の部屋で起きて、窓の外のやけに青い空を、見た。

Smoking under the Ground

 その道の落ちている煙草の吸殻の一つ一つが、黒いもやもやを含んでいる。私がそれを見るだけで、その黒いもやもやは私の胸にたまっていく。

 誰も考えないから、誰も考えないなら、私はもう、外を歩きたくないと、何度も、何度も、思うのです。

 黒いもやもやは、私が悪いのでしょうか。それなりの誠実に生きてきたつもりの私は、どこで間違ったのでしょうか。

Fall into Hell

 秋の空気をやさしいって思うのは私だけなのかな。少し冷く感じる温度が、私の体温と一緒に、嫌なことももっていってくれる感じがする。だから、私は秋が好き。冬の空気はとがりすぎているし、春の空気は優しすぎてつらい。そんな風に感じる。

 こんなことを考えながら、独り、部屋で天井を見上げてる。もちろん天井に何かがあるわけじゃなくて、たまたま目に天井が写っているだけだけれど……でも、私は、こういう風にしてどうでもいいことを考えるのが好きなんだ。誰も見てない。何の役にも立たない。

 なんとなく、CD の音を消してみる。みんなが寝ている時間だから、すごく静かになる。静かになると、すごくお腹が締め付けられる感じがする。なんていうんだろう? どんな感情なんだろう?

 少したつと耳が痛く感じてくる。私はしかたないから CD を掛けなおす。

 そして、乾いたやさしい歌を聴きながら、眠くなって、寝てしまうんだ。ああ、なんて私は幸せなんだろう。

Magic Words

「君は魔法ってあると思う?」

「言葉。言葉が魔法だと思うね」

「君はあっさりと気持ち悪いことを言うのね」

 彼女は何かを考え、苦笑した。

Archives