No head
曇った日曜日の午後のことだ。ある男――眼の下にクマができ、視線がせわしなく動いていた――と、その隣で女が一緒に歩いていた。
男は時々何かを睨み付けるような表情をしては、ぼそぼそと何かをつぶやいている。言い終わるとまた視線は泳ぎ、歩くすがたもどこかぎこちない。
「あのさ、すごく疲れた」
「他の人が何を考えているか、全然わからないね。すごく気持ち悪いよ」
「でもちょっとは分かるようになったつもりだよ。それが余計にわからなくしてるんだけど、うまくいえない」
「やめたいんだ。どうでもいいから」
「どうすればいいかな」
女は前を見たままこういった。
「知らないわよ。そんなこと」
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- /in-my-head/ no-head
- Date
- 2006-05-31 02:23 Edit
Cold Water
露出オーバーで、昼間なのに誰もいない教室で、そんな教室の隅で、独りで、夏で、でも窓が全部しまっていて、でれない、目を閉じると、前の自分がいて、他にも誰かがいて、みんなが、笑っていた。
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- /memorandum/ cold-water
- Date
- 2006-05-05 03:44 Edit
Plus-Minus
ああ、今日も終わったと僕は思って、カバンを適当に投げる。床にねっころがって、白い天井を見る。昨日とおなじ色で、何の色もない天井を見る。
確か数日前まではそこに誰かの輪郭があった。僕はそれを見るたびにお腹のあたりがごろごろとなって、浮かれた気分になった。思い出せばいくらでも出てくることだ。でもすぐに忘れてしまって、いくつかしか残らないだろうけど、それでいい。
ここ数日で、いろんなことがあって、いろんなことが終わった。何か始めようとして、何かが終わった。ノートに書いたいろいろも、意味がなくなってしまった。でもそれでいい。
そして、ピリリリリと、ケイタイが鳴った。
「明日の時間は10時でいいんだっけ?」
と彼女は言った。
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- /in-my-head/ plus-minus
- Date
- 2006-05-03 01:46 Edit
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