No Real :in the headphone

Slope up

 坂道、道路のわきの木が僕らに影を落として、強い太陽の光をさえぎってくれる。僕は下を向いて、影と坂道のまあるい窪みを見つめて歩く。そして少し顔をあげて、坂道の上を覗き、また窪みを見る。

 このへんだったかな、と思って立ちどまり、眼を閉じて思いだそうとしてみる。


 ほらあの日に、何て言ったっけ。木の影ばかり歩いている僕に

「ずるいよ」

って。


 ブロック塀に寄りかかると、少しひんやりしていて気持ちがいい。夏なんてずっと嫌いだったけれど、あの日から少しずつ好きになっているかもしれないな、と今日は思う。

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