No Real :in the headphone

Snowing

 雪がしんしん、しんしん、と降るけれど、私の心はそんなに綺麗に、落ち着いているわけでもなくて、それならいっそ、雨になって、ざーざーと、降ってくれればいいのに、なんて,考えてもしまう。もやもや、ふらふらと、雪が、私の目の先の地面に落ちて、ゆっくりととけていく。立ち止まらずに歩く私と、みんな、静かに、灰色の世界を、雪が流れていきます。

 でもちょっとまって、と私の頭の中で誰かが声をかけて、立ち止まって、景色をゆっくりとみると、急に、自分の体温、とくに、マフラーのところ、首のところが、妙に温かく感じて、あぁ、私も生きているんだ、生き物なんだ、って、実感をする。

 それからまたゆっくりと、歩きだします。みんな、私が行くところを知らない。だから、自由に、まだまだ、まだまだ。いつかとけてなくなってしまうまで。

A Boy Who Don't Cry

「……だれ?」

 僕がそうきくと、そのお姉さんは

「君に呼ばれて、来たんだよ」

 っていった。でも僕はだれかをよんだつもりなんてなかった。お姉さんはゆっくりと僕に近づいてきて、手をつよくにぎって、顔を近づけて、僕の眼をのぞきこんで、僕は、その目にすいこまれるみたいで……

 気が付いたら手がはなれてて、お姉さんは小さなビンにコルクで栓をしてた。

「哀しいことだって、忘れようとしたら、だめだよ。大切なんだから」

 そういって笑って、でもお姉さんの目には涙がたまってた。僕はなにがなんだかわからないけど、つよくうなずいて、「ありがとう」って口から言葉がでた。

「忘れちゃだめだよ」

「うん」

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