No Real :in the headphone

Closed Surface

 登校日のロングホームルームのあと、私は少しため息をついた。それが暑さからきたのか、夏休み中の登校日の面倒くささからきたのかはよくわからない。

 せっかくきたのだから、と思って学校の中を少し見て回った。夏休み特有の、少しだけ埃っぽい、そんな雰囲気。一通り歩いた後、プールに行こうと思った。ただなんとなく。

 プールの入り口は施錠されていたけれど、鍵ごと動かせるドアなので入るのは簡単だった。校舎から聞こえる誰かの声が、少し遠い。

 プールサイドで水面を見ながら、私は起きながらにして夢を見ていた。小学生だったころにいった公園のプールや、その日の空の色。少し疲れた青いあじさい。風の音と、少し遅れて揺れる緑の葉の色。そういうことが、私の頭の中を、自動的にかけめぐる。

 気がつけば空が茜色に染まり、光はプールの水面に反射してきらめいていた。私は、誰もいないプールで、日が落ちるまで、その光が踊るのをずっと見ていた。

Archives