No Real :in the headphone

Flying Book

 手を離した風船が空に消えるのを見ていた。途中で紙飛行機が遥か上空で飛んでいるのを見つけて、群れた本たちが冬を越すためにわたっていくのが見えた。

 英語の授業を抜け出してきた駅前は、目が空ろな人々がたくさんいて楽しくない。メガネ、ヘッドフォン、腕時計、黒い外套、そんなものみんなとってしまえば、みんな同じだ。

 誰かが立ち止まる。小学生ぐらいの女の子だった。意思が強そうな眼で僕を見ていた。眼を離すといけないと思って、僕もずっと眼を見ていた。そして小さな手が伸ばされ……消える。

 僕もあの本みたいに、冬を越すために他の場所に行かないといけないはずなのに、どこに行けばいいかわからないし、どうやって行けばいいかわからなかった。

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