No Real :in the headphone

Holographic Memories Save the Continuations

 今日僕はバックアップを使うことにした。僕はDNAロックで封印された金庫を開き、一年前のホログラフィックメモリをとりだす。その立方体は、金庫の部屋の薄暗い青い光にてらしてみると、よく晴れた日の思い出のようにきらきらと輝いていた。笑った。「よく晴れた日の思い出のように」だって?

 僕は現時点での記憶を一応最新リビジョンとしてメモリに書きだし、それをとりだしたメモリのあった場所に置いた。一年前の記憶には、一年前から今までの記憶がないから (あたりまえだ)、あとでマージする必要がある。そしてそのために僕は自分に向けて、最新のメモリを読むように、というメモ書き握らせた。僕はこれから一つ枝を折るわけだけれど、正直いって、これによりどうなるかよくわからない。誰かに聞いた話によれば……


 目を覚ました僕は、自分が一切の記憶を失っていないことに気付いた。ちゃんとバックアップから復帰したはずだけれど、よくわからない。そして、僕は手にメモを握っていなかった。最新のバックアップをとっさに確認したが、そこにはさっき保存したバックアップはなかった。むしろ、復帰に使ったバックアップさえなかった。最後の、すなわち最新のバックアップは二年前のだ……

 僕は誰かに聞いた話をよく思い出す。「バックアップは記憶を保存しているんじゃないんだ」どういう意味だろう……そいつは他に何かを言っていたか? 思い出せない。


 外にでると、どいつもこいつも去年の話ばかりしていた。電車の中で聞こえる喋り声も、家に帰ってからみるニュースも、新聞も、雑誌も……

 よくわからないけれど、状況的には僕だけが一年前に戻ったみたいだった。あのバックアップメモリはいったいなんだろう……

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