No Real :in the headphone

March Morning

 みんな俺を嫌っている。そうだよ。ずっとそうだったんだ……

 寝る前に、よく考えるよ。そしてあの子が現われる。

「ねぇ、ここのところ、毎日だよね」

 その子は言って、懐しい歌を歌う……俺は眼を濡らして、言葉を待つ。

「もういいから、新しい世界へ行こうか? 十分もらったよ。そろそろ、いいんじゃないかな」

「そうだな……」

 もうなにも思わない、俺は……


 朝の香がする。階下から母がそろそろ起きなさいと声をかけている。母親。母親はずっと昔に死んだんじゃなかったっけ……よくわからない。

 僕は立ちあがり、カーテンをあける。机の上の彫刻刀と、作りかけの飛行機のモデルが使い古された木の机に載っている。窓から光がさしこみ、それらを照す。晴れていて気持ちいい朝だ。

 階段を下り、朝食を食べ、支度をして外にでる。まだいくぶん新しい制服を着て、内容のよくわからない教科書の入った鞄を持って……

 ちょうど隣に住む子がドアをあけて出てきて、おはようと挨拶をする。おはようというときに入る冷たい空気が心地良く、光の粒子が髪をなでる。

「課題はやった?」とその子が言って、そんなものもあったっけと思い出す。そうか、一週間前のあれかな……

 なんだか全てが新鮮に感じる。ずっと前からここにいるはずなのに。おかしいな。夢のせいかな。あれ、どんな夢だったんだっけ……思い出せない。

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