No Real :in the headphone

Still Alive

 これでも生きてる。まだ生きてる。

 あるいは私がずっと考えていた事。ねぇ、苦しくなったら死ねばいいんだよ。そこで全てが終わって、命は自然に還る。そこでそうしているなら、まだ死んでない。生きている。

 見ている全ては私の内側からでてきているものだ。

「私がだれかわかる?」

 って誰かが言ったんだ。彼女は確か眼鏡をかけていた。


 美術の先生が好きだったかもしれない。五十歳ぐらいの白髪が混ざったおじさんだった。芸術に感動できない、なんて話を友達としていた。

「まだ、そういう作品に出会っていないだけだな」

 と言って、画集に納められた一つの絵と、卒業生の一人が描いたという絵を見せてくれた。

 あの先生もまた、眼鏡をかけていた。


 眼鏡の奥の透き通った眼の、もっと奥だ。脳を抜けて、意識を抜けて、無意識も抜けて、広大な宇宙がある。そこで私たちは互いに干渉しあって、存在している。そこには形がなく、概念というほどの概念もなく、おそらくそれは化学反応のようなものだ。

 私たちが見るもの、見せるもの。そんな広大な宇宙から、いくつか何かをとりだして、組み合わせて列にして眼に映す。何を選ぶか? 私が見たいもの、誰かが見たいもの。強く望め。

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