No Real :in the headphone

Surounded by the Stacks

 図書室に入り、一冊の本を手に取った私は、頭に流れている音楽を停止させた。授業中の誰もいない図書室。司書さんさえどこかにいってしまって、空っぽだ。あるもの。空気がゆっくりと動く。まとわりつく。何もない。

 本を開き一ページだけ読むと、私は眼を閉じた。頭の中に音が聞こえる。自分の鼓動だった。普段はまるで聞こえないものなのに、今ははっきりと聴くことができる。誰かが歩いてくるように。歩いてくるのは大男か、兵隊か?

 兵隊たちは私に近づこうとしている。でも絶対に私には届かない。私もまた、彼らには絶対届かない。

 やめよう。

 意識が多少霞んでいる。さっきまで寝ていたからだ。学校に来て、私はいったい何をしているんだろう。

 眼を開けて、ページをめくる。ざらざらとした紙の感触。擦れて音が鳴る。描かれている図形が、書かれている文字に変化していく。

 私は本に集中し、フレームを切り替える。そこで私は私自身の考えをなくす。

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